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「フリーランスになるには?」と悩む人向け必読まとめ|開業届の出し方から失敗しない秘訣まで

「フリーランスになるには?」と悩む人向け必読まとめ|開業届の出し方から失敗しない秘訣まで

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フリーランス人口はコロナ禍をきっかけに2020年と比較して500万人以上増え、2021年10月時点で1577万人に達しました。(※1)読者の皆さんのなかにも、スキルをつけてフリーランスになりたいと感じている人も多いことでしょう。

この記事では、フリーランスになるメリット・デメリットと開業するために必要な手続きや失敗しないための秘訣を解説します。

誤認識がないように!まずは「フリーランスとは?」

企業と業務委託契約を結ぶことにより、スキルや知識を発揮することで報酬を得ている人のことをフリーランスと呼びます。

フリーランスには会社員として働きながら休日や帰宅後の時間を利用して、副業として活動している人も含まれます。

個人事業主との違い

個人事業主はフリーランスと同様に企業に属さず独立して働く人のことを指しますが、税法上の用語として存在しているのかに違いがあります。

税法上に用語として記載されているのは個人事業主で、フリーランスは法律上には用語が存在しません。具体的には税務署に開業届を出している人は、個人事業主と認められます。

フリーランスになるメリットとデメリット

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自由であるがゆえに、良くも悪くもさまざまな側面が生じるのがフリーランスです。

事前に把握しておくことで対策を立てましょう。

【メリット①】時間の融通がきく

働く日や時間が決まっておらず自分の裁量で仕事を請け負え、仕事をするタイミングを自由に選べます。

例えば、週3日は休んで残りの4日は好きなだけ働いたり、一週間続けて休みを取って旅行に行くことも可能です。

プライベートとのバランスを取りながら働くことができるため、プライベートと仕事を統合できる「ワークライフインテグレーション」の考え方を実現することもできます。

他にも以下のような働き方も実現可能といえます。

  • 小さい子供がいる母親は育てながら働ける

  • 子供を保育園に預けているなら、子供が熱を出したときにすぐに迎えに行ける

  • 親の介護をしたり、面倒を見ながら合間をぬって仕事に取り掛かれる

【メリット②】収入の上限がない

会社員であれば成果報酬でない限り収入に上限がありますが、フリーランスは実力次第で収入が伸びていきます。

働いた分の収入があり、スキルや経験を積むほど難しい仕事にもチャレンジできるため成果物に対しての報酬が高くなっていきます。モチベーションを高く維持でき、やりがいにもつながるでしょう。

【メリット③】定年後も働ける

「人生100年時代」といわれるなかで、スキルを発揮しながら生涯現役で仕事を続けられます。定年を過ぎても社会と接点を持ち続けられることは日々の活力にもなるでしょう。

定年前からフリーランスとして活動していればスキルや実績があるので、会社員引退後の転向でも圧倒的に仕事を獲得しやすいでしょう。

【デメリット①】請求書の発行や確定申告をしなければならない

必要な事務処理を基本的にすべて自分で行う必要があり、請求書発行や確定申告、経費管理など種類は多岐に渡ります。

通常の仕事をしながらスキル向上にも励み、さらに諸々の経理処理をするのは時間と手間がかかるでしょう。

すべてを自分で行うのが大変であれば、ITツールに頼ったり作業を委託することもできます。

【デメリット②】社会的信用が下がることがある

ローンやクレジットカードの審査が通らなかったり、賃貸物件を借りられないことがあります。

まとまった収入があることを示すために確定申告書類や、納税証明書など所得が分かる書類の提出を求められることもあるでしょう。

会社員からフリーランスになる人は、このようなポイントを踏まえて事前に手続きを済ませておくと良いです。

【デメリット③】収入が安定しない

収入はクライアントから請け負う仕事量や時間に左右されるため、安定しにくいです。

ぶれをなくすには、戦略を練る必要があるでしょう。

例えば、働いた時間に対して報酬が与えられる固定報酬型と、出した結果や納品物に対して対価がある成果報酬型を取り入れることによって収入が安定します。

フリーランスになるために必要な届出

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フリーランスになるためには、行政と自治体に届け出を行う必要があります。実際に税務署や役所に向かい必要な事務手続きを進めましょう。

フリーランスになるために行う手続きを確認していきます。

開業届を提出

開業した日から1か月以内に税務署に開業届を提出する必要があります。フォーマットは国税庁のホームページからダウンロードするか、直接税務署で受け取りましょう。

主な記入事項は、以下の通りです。

  • 個人情報(納税地・氏名・生年月日・マイナンバーカード番号・職業・屋号)

  • 所得の種類

  • 開業日

  • 青色申告書の有無

  • 事業概要 など

提出用と控えの2枚に必要事項を記入したら、最寄りの税務署に直接提出するか郵送で送付しましょう。

また、フリーランスは確定申告をしなければなりません。年間所得金額が55万円(電子申請なら65万円)まで控除が可能な「青色申告承認申請書」も提出するべきか検討しましょう。なお、提出期限は開業後から2か月以内と決められています。

健康保険と年金の切り替え手続き

会社員からフリーランスになる場合、健康保険は14日以内に国民健康保険に切り替えるか、企業が加入している健康保険に2年間任意継続するかを選択します。

また、国民年金への切り替えは退職日の翌日から14日以内に手続きが必要です。

国民健康保険と国民年金の加入手続きは、居住地の役所で手続きを行いましょう。退職証明書類や、本人確認書類が必要となりますので、各自治体のホームページをチェックしてみてください。

なお、会社員をしながら副業として仕事をする場合は、健康保険と年金の切り替えは不要です。

フリーランスで失敗しづらい秘訣

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すべての責任が自分にあるため、未来で起こり得る状況を想像しながら常に主体的に考え行動することが必要です。

失敗しづらい秘訣を確認していきましょう。

1. 自己管理をきちんとする

体が資本となるため、健康維持や納期管理などの自己管理に気を配りましょう。

自分自身の状態は仕事のパフォーマンスや成果物のクオリティにも反映されます。

例えば自己管理を行うために、以下のようなことができます。

  • 健康維持のためジムに行き、定期的に運動をする

  • あらかじめ収入の目安と働く時間を決めて、十分な休養を取ることを意識する

  • タスク・スケジュール管理ツールを使用して納期を厳守する

2. コミュニケーションをちゃんととる

クライアントが求めているニーズを十分に満たすため、丁寧なコミュニケーションを行います。

例えば、不明点は必ず確認する、進捗状況をこまめに伝えるなど互いの認識に齟齬が生まれないよう意思疎通を図りながら仕事を進めましょう。

他にも相手が端的に答えられるように具体的な質問をしたり、何度もやり取りが生じないように配慮するなど、相手の手間をかけさせない工夫をすると良いです。

3. 常に向上心を持つ

スキルを磨きながら新しい知識を取り入れ、成長し続ける意識を持ちましょう。

市場の動向により求められるニーズは変化するので、いつの時代でも必要とされる人材になるためには常に勉強し続ける姿勢が大切です。

例えば、定期的にセミナーに参加して新しい知識をつけスキルを向上させたり、半年・1年・3年後など未来に向けて達成したい目標を立ててみましょう。

4. 仕事を受注できるスキルと経験を持つ

クライアントから選ばれるためには、成果を発揮できるスキルと経験や実績を持つことが重要です。

例えば、同じ年数のキャリアを積んだ2人のフリーランスがいるとしたら、よりスキルや経験を持っていてクライアントの業績成長に寄与できる方が選ばれるでしょう。

仕事のチャンスがあったら積極的に取り組んで経験を積んだり、スキルの向上を怠らないようにしましょう。

5. もしものときの貯蓄

フリーランスは会社員と比較して収入が安定しにくいです。成果報酬であればどのぐらい仕事を受注できるかにより変動するため収入が少ない月もあるでしょう。

ある程度の貯蓄をしておき、また必要なときにすぐに引き出せるように現金で持っていると良いでしょう。

会社員からフリーランスに転身した場合、一定の要件を満たせば失業手当を受け取れます。また、収入が少ない場合には国民年金保険の免除申請ができるなど、国の支援に頼ることも可能です。

6. 自分の実績が周囲に伝わるようにする

経験や経歴、実績を掲載したポートフォリオを作成しましょう。

また、ポートフォリオを掲載したSNSなどで継続して発信を行い、認知度を上げながら多くの人の目に留まる機会を増やすことが大切です。

7. 仕事内容や自身のブランディングを考える

自分自身の強みや売りにできることを考え、自分自身のブランディングに役立てましょう。

例えば、Webライターであれば、ある分野に特化して専門性の高い知識を持っていると、知識を活かして質の高い記事が書けるため他者と差別化を図れます。

他にも、記事作成とともにアイキャッチ画像の製作ができる、Webデザインができるなど、さまざまなスキルを持っていることで、幅広い仕事に対応できる方向へとブランディングすることもできます。

フリーランスになるには計画的な行動をしよう

開業届の提出と必要に応じて社会保険や年金の切り替えを行ったら、フリーランス活動がスタートします。

失敗しない秘訣を参考に取り入れながら、フリーランスになる前から計画的に行動していきましょう。

※1 参考:ランサーズ「新・フリーランス実態調査 2021-2022年版」