
したいけど分からない副業の始め方を教えます|注意点やメリット・デメリットもきっちり網羅
働き方改革や新しい資本主義の一環として政府は副業を推進し、解禁する企業が増え続けています。
一方で、副業をやってみたいけれど、具体的に何から始めればいいか分からないという人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、副業の始め方を5つのステップに分けて解説します。始めるときに気を付けたい注意点や実際のメリット・デメリットについても見ていきましょう。
副業の始め方5つのステップ

まずは本業の所属企業が副業を認めているかを確認し、自分がどんな目的で何をしたいのかについて明確にしてから案件探しを行います。
手順を飛ばさずに進められれば、スムーズに案件に着手できるはずです。
ステップ①所属組織が副業OKか確認する
本業の所属企業が副業を禁止しているかについては就業規定を確認しましょう。
なお、副業の取り組み方に注意しなければならないのが全面的に容認・禁止するのではなく、条件付きで副業を容認する企業です。
ちなみに、パーソル総合研究所「第二回 副業の実態・意識に関する定量調査」によると、2021年度では全面禁止が45.1%、条件付き容認が31.3%、全面容認が23.7%となっていて実質容認している企業は55%となっています。
条件付きの容認については、業務上の秘密が漏洩したり、労務提供上に支障が出る恐れがあるなど、企業によって事情はさまざまです。
詳細な業務内容や作業時間などを企業と共有して合意を得たうえで進めましょう。
ステップ②目的や目標を決める
あなたはきっかけや動機があり、副業に取り組みたいと考えたはずです。
例えば、個人としてのスキルを高めてキャリア形成をしたい、所得を増やして余裕がある生活を送りたいといったことかもしれません。
まずは、明確に行う目的と達成するための具体的な目標を設定してください。
ステップ③副業にあてる時間を決める
立てた目標を達成するために、どれぐらいの時間を費やす必要があるか考えて副業にあてる時間を決めます。
なお、自分のキャパシティを超えた無理な時間設定をすると、すぐに挫折してしまいます。継続できることを踏まえながら、最初の時間設定は無理なく続けられる範囲に留めましょう。
例えば、本業の就業時間が9時から18時までであるとします。始業前の1時間や帰宅後の1時間を副業時間にあてれば一週間で10時間の確保が可能です。
確保できそうな時間数で目標が達成できそうかを見直して、必要であれば修正しましょう。
ステップ④取り組む副業のジャンルを選ぶ
本業で獲得したスキルを生かした副業を行うのであれば、経歴や実績をクライアントに提示できるため、未経験ジャンルよりも案件が獲得しやすいです。
逆に本業ジャンルではない場合は、スキル取得のために勉強する時間が必要であり、案件の獲得が難しいです。
でも、自分が好きで取り組みたいことであれば継続しやすいメリットがあります。
ステップ⑤案件やクライアントを探す
ジャンルを絞ったら案件やクライアントを選びましょう。
知人や友人に声をかけてみたり、クラウドソーシングサービスで案件を探してみてください。
また、企業のホームページで採用の募集状況を確認して、募集があれば直接問い合わせることもできるでしょう。
副業をするときの注意点
必須事項を知らない間に取りこぼしてしまうことがないよう、就業先に対して守るべきものや税金に関する手続きを把握しましょう。
就業上の義務を守る
労働者は企業に対して誠実に業務を行うことのほか「競業避止」と「秘密保持」の義務があります。
同一業界・業種で働くことは禁じられていませんが、互いの利益に関わる業務を行うことは避けてください。
また、企業の秘密が他企業に漏えいすると利益を奪われる危険がありますので、情報の取り扱いには十分に注意しましょう。
本業に支障が出ないようにする
副業に過剰な時間を割けば心身に過剰な負担がかかり、本業に支障が出る可能性があります。
本業に悪影響を及ぼすと、所属企業に迷惑がかかるどころか、あなたに副業禁止の旨を通知するかもしれません。
無理のないように業務量や作業時間を自分自身で調節して取り組みましょう。
確定申告を行う
副業で得た所得が20万円を超えると、確定申告が必要になります。国税庁が定める期間内に申請を行わなければなりません。
なお、所得は売上から経費を引いた残りの金額のことであり、スキル向上のために購入した書籍やセミナー代、クラウドソーシングの手数料といった業務に関する必要な支出は経費になります。
日常的に売上や経費の帳簿記入をこまめに進め、提出期限の直前になって慌てないようにしましょう。
副業のメリットとデメリット

本業では得られない経験やメリットを享受できる副業。でも、取り組み方によっては日常生活に悪影響を引き起こします。
メリットとデメリットを理解して、自己管理を怠らず順調に進めましょう。
【メリット①】キャリア形成につながる
本業を行いながらさまざまな仕事に積極的に取り組めるため、金銭を得られるのはもちろん、主体的なキャリア形成につなげることができます。
収入の安定性を確保できているため、失敗を恐れずに興味のあることに挑戦できます。
【メリット②】本業の業務改善ができる
取り引き先企業で学んだ業務の進め方やノウハウ、使用している便利なITツールを本業に取り入れられ、業務改善につながります。
副業では本業と異なる業界や規模の企業と仕事を進める機会に恵まれるため、良いところを参考にして取り入れられるでしょう。
【メリット③】価値観の多様性を認められる
経営理念や業務目標によって組織風土が変化するように、副業で他企業と仕事をおこなうと多様な価値観に触れることとなります。
様々な人の意見や考えを聞いて思考の幅が広がったり、本業に活かせるような新しいビジネスアイデアの発想を得られるかもしれません。
【メリット④】所得を控除できる
副業で得た所得は年間20万円以内であれば確定申告の必要がなく、また開業届を出して青色申告書で申請をすれば最大65万円まで所得の控除が可能です。
また、仕事に関する商品購入やサービス利用費を経費として計上できます。
【デメリット①】自由な時間が減る
プライベートな時間が減るとともに、請け負う案件によって予想以上に作業時間がかかり時間に追われることがあるでしょう。
タスクに優先順位をつける、定型的な業務は自動化するなど、タイムマネジメントを行い仕事をスムーズに進める工夫をしましょう。
関連記事:caroa times|タイムマネジメントとは?やり方や優先順位をつける方法を解説
【デメリット②】自分で確定申告をしなければならない
副業で得た所得が20万円を超えると、定められた期間内に国税庁に確定申告をしなければならず、帳簿記入や申請書類の作成を自分でしなければなりません。
帳簿記入は会計や簿記の知識が必要となるため、初めて行う人は時間がかかるでしょう。
【デメリット③】過労で体調を崩すことがある
空いた時間をぬって仕事をするため疲れが溜まるのを無視して働き続けると、体調を崩して本業と副業のどちらの仕事もままならなくなってしまう恐れがあります。
自分自身のスキルやこなせる作業量を把握して、達成できそうにない仕事は受けない、業務の進捗状況をこまめにチェックするなど管理を行いましょう。
本業と副業をこなすにはタスクやスケジュールの管理が不可欠
副業を行うことで、時間に追われたり過労で体調を崩すかもしれないデメリットは、自分がこなせる業務量を正しく理解せず仕事を請けすぎる、作業時間の見積もりを誤るなどの自己管理不足が原因でしょう。
タスクやスケジュール管理ができていて、自分ができる範囲の業務量と作業時間を把握できていれば、デメリットは解消できるはずです。
時間管理ができ、決めた時間内に仕事をきっちりとこなすことができれば、取引先の信頼も獲得できるでしょう。キャパオーバーで体調を崩すこともなくなります。
本業とともに副業をこなすには、タスクやスケジュール管理が不可欠です。
Webツールを使えば管理に時間を割くこともなく、タスクを順調にこなせるようになるはずです。
「複業」という考え方もある
本業の空いた時間で行われるサブポジションの仕事が副業と呼ばれるのに対して、本業の仕事をいくつも持つ「複業」という考え方もあります。
フリーランスで他業種の企業を渡り歩いたり、会社員として複数企業に就業するなど、業界や業務形態にとらわれない自由度の高い働き方が可能です。
関連記事:caroa times|複業とは?副業との違いや企業の取り組みを紹介
目的と目標を明確にして副業を始めよう
主体的なキャリアを形成できる、所得が増えるなど、副業を進めることで未来の選択肢を増やして満足度の高い働き方を実現できます。
なんのために副業を行うのかについて明らかにしたら、達成に向けて動き出しましょう。