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タイムマネジメントとは?やり方や優先順位をつける方法を解説

タイムマネジメントとは?やり方や優先順位をつける方法を解説

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「タイムマネジメントの詳しい手順を知って、効率的に仕事を進めたい!」
「タイムマネジメントのコツを把握して、業務のスピードを上げたい!」

タイムマネジメントとは、時間を調整しタスクを効率的にこなすことです。

この記事を読めば、タイムマネジメントの手順やコツが分かり、短い時間で多くのタスクを遂行できるでしょう。

この記事では、以下のことについて詳しく解説します。ぜひご覧ください。

タイムマネジメントとは

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タイムマネジメントとは、時間をコントロールして業務の生産性向上を図ることです。

時間の管理を先におこなうのではなく、業務の進め方や遂行方法を見直した結果として、時間をコントロールできるようになります。時間の調整が先で、仕事が効率的に進むことが後にくるわけではありません。

このように見ると、タイムマネジメント能力は、与えられた業務を効率よくこなす力と言えます。

タイムマネジメントの重要性

タイムマネジメントは、限られた時間の中で、余裕をもって能率的に業務をこなすことに役立ちます。

2018年に内閣府によりおこなわれた「先駆的ICTに関する懇談会(第2回)」の配付資料によると、日本の労働人口は、2010年の8000万人から2030年には6700万人にまで減少するとのことです。

日本の人口減少により働き手が減るので、一人当たりの生産性を上げることで補う必要があるでしょう。タイムマネジメントの重要性は、企業を中心に今後さらに増していくと考えられます。

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タイムマネジメントをおこなうメリット

タイムマネジメントをおこなうことで、さまざまなメリットを享受できます。

仕事を効率的に終わらせるのはもちろん、生み出された時間を自己研鑽やプライベートの充実に充てられるでしょう。

生産性向上が見込める

限られた時間で多くのタスクをこなせ、生産性向上が見込めます。

短時間で効率よく仕事が進められることで、少ない労力で多くのタスクを完了できるために、心身の疲労軽減も期待できます。より力を割きたい作業に集中して取り組めるでしょう。

スキルや知識を習得する時間を捻出できる

タイムマネジメントをおこない、短時間で必要な仕事を終えることに成功したら、空いた時間で新たなスキルや知識を習得できます。

もし捻出した時間で、業務効率や自動化方法を勉強すれば、学んだことを実践しさらに作業時間を削減できます。このサイクルを繰り返せば、無駄なタスクが効率化され、業務の最適化につながるでしょう。

また、業務を最適化したら、まとまった時間を捻出できます。専門的なスキルの習得や学習したことのない分野の勉強など、とくに時間がかかる物事を理解するのにも役立つでしょう。

残業時間の発生を防げる

与えられた時間内に仕事を終わらせる能力が身に付くため、残業時間の発生を防げます。

プライベートの時間を確保し、リフレッシュも十分にできるでしょう。心身の健康を維持できるために、仕事でも常に一定のパフォーマンスを発揮することが可能です。

タイムマネジメントをおこなう5つの手順

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タイムマネジメントをおこなうためには、手順に沿って実施することが効率的です。

目的の確認から振り返りまで漏れなくおこなうことで、さらなるマネジメントスキル向上が期待できます。

目的を明確にする

タイムマネジメントを進めるにあたって、まず何のためにおこなうのか目的を明確にしましょう。

目標が明確になると、それを達成するためにどの手順に注力するべきかが分かります。

例えば、空いた時間を捻出して、専門的なスキルを向上したいなら、タスク項目を書き出しそれぞれにかかる時間を吟味すれば、不要な業務や効率化・自動化できる作業を見つけられます。

また、雑務が多すぎるので業務を最適化して、大事な仕事にかける時間を多く捻出したいのであれば、重要度・緊急度マトリクスを用いて、自分にとって何が大切な仕事なのかを一工程ずつ見直せば、無駄な雑務を取捨選択できるでしょう。

工数を並べてかかる時間を確認する

目的を明らかにしたら、一連の業務を見直してどんなタスクをおこなっているのか、項目を書き出します。

そして、各タスクの工程を順番に並べ、それぞれの作業にかかる時間を記入しましょう。

作業時間を記入することで、以下のことが分かります。

  • どのような作業に時間を取られているのか

  • 本来時間を取られたくないタスクや無駄な雑務にかかる時間

  • 時間がかかる割に重要でない作業

時間に対する意識向上と、タスクを優先度順に並べる際に役立つでしょう。

重要度・緊急度マトリクスを使用してタスクを洗い出す

各タスクにかかる時間を確認したら、項目を重要度・緊急度マトリクスに当てはめて、優先すべき作業を定めていきます。

重要度・緊急度マトリクスとは、双方の度数を「高い」「低い」で評価することで、4つの項目に分類するものです。

重要度に関しては「成果物の質が求められる」「企業成長に関わる」の観点で評価しましょう。緊急度については「納期が定められているかどうか」「納期の期限」で採点します。

双方の度数を評価したら、4つの項目の優先度順位を記した、下記の表に当てはめてみましょう。

重要かつ緊急度の高い第Ⅰ領域はもちろん重要ですが、最も重要な領域は第Ⅱ領域とされています。

日々のタスクに忙殺されていると、ついつい目先のタスクに忙殺され、緊急度が低く重要な仕事を後回しにしがちです。

第Ⅱ領域はすぐに成果はでなくても、将来的に大きな成果をもたらしてくれる重要な仕事なはず。緊急度の高いタスクとのバランスを見ながら、できるだけ将来につながる仕事に時間を割きたいところです。

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効率化や自動化を検討し業務改善をおこなう

工程の見える化で長時間かかることが分かった作業や、実行する中で時間がかかると判明した業務は、改善・効率化を積極的におこないましょう。

また、ミスが許されない作業や緊急度の高い作業などは自動化することで、ヒューマンエラーを防げます。業務改善を重ねることで、新たな時間を捻出でき、好きな作業に当てられます。

振り返りをおこない課題を設定する

タスクの実行を終えたら振り返り・反省をおこない、新たに課題を設定しましょう。業務を振り返ることは、タイムマネジメントスキルをより向上させるために重要です。

以下の手順でおこなった業務を振り返ってみましょう。

  • 目的は達成できたか(できなかったのであれば、達成できなかった原因を探る)

  • 見える化していないタスクはあったか(あればかかる時間を確認後、重要度・緊急度マトリクスに当てはめ優先順位を選定し、次回実行時の参考にする)

  • 優先度順は正しかったか

  • 上記の項目をもとに課題を決める

タイムマネジメントのコツ

手順にあわせてタイムマネジメントをする際に、実施のコツを覚えて活用するとさらに有効的です。

遂行できる項目から取り入れてみてください。

フレームワークを活用する

「HIROEN」や「SMARTの法則」のフレームワークを活用するとよいです。

「HIROEN」は、業務を分解し関連する人や事象を明らかにするために使用されるフレームワークです。タスクの工程を見える化する際に、下記の6つの項目に当てはめて考えることで、リストアップの抜け漏れをなくすのに活用できます。

  • Hear→聞いておくべきこと

  • Inform→伝えておくべきこと

  • Request→頼んでおくべきこと

  • Operate→実施すべきこと

  • Examine→調査すべきこと

  • Negotiate→交渉すべきこと

「SMARTの法則」は、目標選定に有効なフレームワークです。下記の5つの項目に当てはめられるかを軸に考えることで、振り返り時の課題選定に役立つでしょう。

  • Specific→具体的であるか

  • Measurable→数字で表せるか

  • Achievable→達成できるか

  • Relevant→関連性はあるか

  • Time-bound→期限が明確であるか

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項目や工数を細かく分ける

業務項目を細かく分けて見える化すると、無駄や不要な作業が発見できたり、自動化できそうな仕事が浮き彫りになったりします。

時間がかかる作業になりますが、工数を余すことなく視覚化することで、気付きや発見も多くあるでしょう。

重要度の高いものに時間を割く

仕事を効率的にこなすには重要でない作業にかかる時間を短くする代わりに、重要度の高い業務に時間をかけて、質の高いアウトプットを出すことが大切です。

また、重要度の高い仕事をいつまでに終わらせるか期限を明確に決めておきましょう。制限時間を意識できるため、業務の間延びを防げます。

積極的に自動化をおこなう

時間を要する業務や毎日形式的におこなっている作業の自動化ができないか、積極的に検討しましょう。

例えば、以下のような取り組みが可能です。

  • 外部ツールを利用する

  • Excelでマクロを作成し、表計算やデータ整理を自動化する

  • プログラミングでシステムを構築し、定型業務を自動でおこなう

外部ツールは、例えば、「予実管理システム」で大容量のデータ処理や、資料作成をおこなう、「SFA」による顧客・案件管理、日程調整ツールによる調整業務の効率化などが考えられます。

アウトソーシングを検討する

定型的な業務でマニュアル化できる仕事や、また専門的なスキルが必要で遂行に時間がかかる作業は、アウトソーシングを検討しましょう。

専門的なスキルを要する仕事は、時間をかけて体得するより、プロに頼ることにより、短時間でクオリティの高い成果物を受け取れます。

契約書類の作成やマニュアルの整理など、初期投資の時間は必要ですが、継続的に運用して一度依頼すれば大幅な時間の短縮が期待できるでしょう。

バッファを過剰に設定しない

工数ごとにかかる時間を設定する際は、タイトな予定を設定するより、余裕をもった方がよいと思うでしょう。しかし、タスク実施時間のバッファは過剰に設定しないことが大事です。

バッファを多く見積りすぎると、業務遂行に余裕があると感じ、制限時間の間近までゆっくりと作業をする危険があります。後になって焦ることとなり、完成品や成果の質が下がることがあります。

短時間で生産性を高めるよう意識する

テクニックを実践するのみでなく、短時間で生産性を高める心がけや意欲を持ちましょう。

効率的にタスクをこなしたいという意識が具体的な動機につながると、モチベーションが上がり生産性向上にも寄与します。

生産性を高めるための動機付けの例

  • 何時までに〇〇をこなしたい

  • あまった時間で〇〇のスキルや知識を得たい

タイムマネジメント研修で企業成長

社員全体にタイムマネジメント研修をおこなうことで、時間を効率的に使うための意識向上や能力育成が可能です。

また、所定期間での目的達成が必要とされる「プロジェクト」の遂行にもタイムマネジメントが役立ちます。

時間意識の向上

限られた時間を有効に使う意識が社員全体に芽生えるため、削減するべき業務や時間を多く割きたい業務など、企業単位で業務の優先順位づけに取り組めるでしょう。

例えば、社員の時間意識が向上したことにより、以下の行動が生まれるかもしれません。

  • 長時間おこなわれていた会議の時間削減が検討される

  • 人の手でおこなっていた、定型的な業務の自動化を部署単位で進める

一人当たりの労働生産性が上がる

個人の能力向上のみでなく、社員のマネジメント面でも効率性が高まり、時間をコントロールする術が分かることで、一人当たりの労働生産性が上がります。

労働生産性が上がれば、企業側は社員数を増やさなくても、一定以上の価値を作り上げられるため、人件費の削減にも貢献します。

タイムマネジメントのおすすめ本3選

タイムマネジメントの本を読むことによって、さらに具体的な手法を学べます。

個人や複数社員に周知するなど、さまざまな方法で活用してください。

24時間すべてを自分のために使うタイムマネジメント大全

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24時間すべてを自分のために使うタイムマネジメント大全(大和書房)

「神経科学」「行動経済学」「心理学」「生理学」に基づいて、限られた時間で最大のパフォーマンスを出すタイムマネジメント術が記載されています。

それぞれには、エビデンスがあり根拠のある事実が並べられているため、実践するだけで効果を感じられるでしょう。

実践!タイムマネジメント研修

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実践!タイムマネジメント研修(ポテンシャル・ディスカバリー・コンサルティング)

実際に多くの企業で研修をおこない、好評であった内容を本にまとめたものです。社員全体に内容を共有することで、企業単位で効果を得られるでしょう。

ストーリー仕立てになっているため、ビジネス書を読むことに苦手意識がある人も、物語を楽しみながら、タイムマネジメントの知識を得られます。

時間術大全人生が本当に変わる「87の時間ワザ」

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時間術大全人生が本当に変わる「87の時間ワザ」(‎ ダイヤモンド社)

時間を捻出したい人のために、個人でできる心構えや小さな取り組みを記載した本です。

「雑事」をまとめる、やるかもしれないリストを作るなど、シンプルで実践しやすいテクニックがつまっています。

優先順位をつけて業務効率を上げよう

タイムマネジメントを効果的に進めるには、重要度・緊急度マトリクスに各タスクを当てはめ、優先順位をつけて実施することが大切です。

また、実行後は、必ず振り返りの時間を設けて、次回への改善点や課題を設定することで、さらなるマネジメント能力向上につながります。

まずは、手順に沿って、実際に手を動かすことから始めてみてください。